けおされた

mind manifesting. (自分の非日常について書きます)

AUSTIN PSYCH FEST 2013に行ってきたよ ①

 AUSTIN PSYCH FEST 2013に行ってきたよ①

 2013/4/25(木) 前夜祭(KICK OFF PARTY)の巻

 

 朝食のスクランブルエッグが美味かった一晩$60ぐらいのホテルから湖畔のユース・ホステルへ移動。初めてのドミトリーにおっかなびっくり。荷物を置いて湖を満喫し、近所の屋台のメキシコ料理屋のおっさんに親切にしてもらった後、キャピタルメトロでダウンタウンへ。

 

 

 実は前日にダウンタウンのレコード屋で購入したMan Or Astroman?のアルバムが不良品で、ジャケットもラベルも完璧に本物なのに、中のデータはどうしたわけか変なファンク・グループの9曲入りアルバム(今思えばこれはこれでmp3でPCに保存しておいてもよかった?いやいや返品する不良品ですからそれはね、いやしかし。)なのだった。米国は返品がラクだとインターネットさんがおっしゃっていたので、ヴァーバルな英語が不得意で説明するしっかり自信もない僕は「斯く斯く然々」と書いた紙を持って行って店員さんにお見せすることにしたのであった。

 

 その為に西のLamar St.まで行かねばならなかったのだが、数日続いている謎の症候群(鼻、喉、耳などの炎症、疲労感、咳)の影響で下痢が酷く、オースティンではそこらじゅうにあるセブンイレブンの便所をお借りしたのだった。便座に座るも、少し距離をおいて前方にある扉の鍵が見事に壊れていて、入ろうとしたオッサンに「Oh, sorry!!」と言われながら自分も「Sorry!!」と言いつつ前屈みでドアを押さえたりせねばならなかったのだった。

 

 バスで降りるタイミングを逃して高速道路よりも西側に来てしまい、「おいおい今から戻って返品していたらせっかく前夜祭に遅刻しちまうよ」と思いつつ別のバスに乗る。実はこの日、ショルダーバッグの他に手提げカバンとして天下のアメリカン・スーパーマーケット「HEB」の激安エコバッグ(前日購入)をぶら下げていたのだが、バス停を探してストリートを走っていたらその中身が突如こぼれ落ちて大慌て。あ、容易くも破れやがった!畜生!クソ野郎裏切ったな!HEBのクソ野郎が!!

 アスファルトに転げ落ちたのは、いつもは財布と一緒にショルダーバッグに大事にしまっている僕のサムスンスマートフォン様。うわーなんか土に汚れちまったよ。否、これ汚れ違ぇ。画面ヒビ入ってる!!

 

 ああん、アタシのギャラクシー様!!死なないで!!

 

 息を荒げ、半ば狂乱しながらもLamar St.へ。昨日も訪れた場所である。便所がすぐそばのフードマーケットのバーの側にあるということを俺はしっかり把握していたので、ここまで来ればこっちのもんさね。便所に直行する下痢男。便座でくつろいだ後、返品にあっさり成功し、再びキャピタルメトロにゲット・オン。ようやく会場のRed River St.へ。

 

 「ウィル・コール?場所は合ってるけど18時からだからもうちょい待っててね。」

 

 あっ、まだ30分もあるんですね。ということは、その、つまり、俺のスマフォの液晶君は何のために犠牲になったというのか

 

 

 以上が前置きの喜劇である。というか典型的なHasty SlowpokeすなわちDOJIであるところの俺の人生はいつもこんな感じであるので、別段珍しいことでもないから驚くなかれ。

 

 

 入場用リストバンドをもらってウロチョロしていたところ、浅黒い肌に長いヒゲの中年男性が話しかけてきた。

 

 「君、昨日ホテルにいたやろ。見かけたで。(英語)」

 

 「うん。」

 

 「わいも、サイケ・フェスティバル見に来たんやで。」

 

 名をフィリップおじさんと言った。見られていたなんて恥ずかしい。ホテルで思い出したがオースティンのグレイハウンドバス停留所に来たイエローキャブの親父はクソだった。ああ嫌なこと思い出した。

 

 そんなことはいい。俺は取り敢えず会場である「Mohawk」の列に並んで入り口でパスポートのコピーを見せ、右手の甲にハンコを押してもらった。

 

 中に入り取り敢えず注文したのはラム・コーク。キューバ・リバーって言っても通じないのね、理解理解(と思ったが、今調べたらそれ以前に俺の言葉が間違っていた、バーカ)。

 

 初めて来るUSAのLIVE HOUSE。The Brian Jonestown Massacreのシャツを着ている人がいる。いいね。BJMが一般教養であるような場所に自分が今存在しているという喜び。

 

 一方僕はスペースメン3の黄色のTシャツを着ていた。すると、ヒョロそうな彼女連れの青年が話しかけてきた。

 

 「いいシャツ着てるね。スペクトラム見るの?(英語)」

 「うん。ウォーロックスとスペクトラムを見に来たんすわ。」

 

 そんな感じ。僕は英語が下手なのでそんな感じ。で、キマッてる奴らはどこにいるの?とかそんなことを考えながら酒を飲んでぶーらぶら。そんなこんなでスピーカーから音が鳴り始めるのであった。

 

 

 基本的に印象に残っている連中のことしか書かないつもりだが、一発目に見たのはLow Times。名前に反してアッパーだった。ゆらゆら帝国とか好きなのかな?って思うようなシンプルな疾走系ガレージ・サイケデリック。こういうの日本にもいそうだね。

 

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 手始めはこんなもんかな、そんでもってODONISというバンドの後に、人気バンドらしいがあんまり知らないMETZ。どれもアウトサイド・ステージなのだが、ノイジーでスピード感のあるバンドが多かったので、こっちは轟音の覚醒系バンドで固めてるのだろうかと感じた。だってラストはあのA Place To Bury Strangersなんだもの。

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 だけどしかし、僕は幻惑的な酩酊感が欲しかった。ハイになりたいわけじゃないんだ。そんなこんなでインサイド・ステージにお邪魔しまんにゃわ。

 

 おっ、何やら女の人が歌っているじゃないですか。トレモロやリバースディレイをふんだんに使ったドリーミィでメロウなサウンド。いいねぇ。

 

 二人組の名前はAll In The Golden Afternoonと言うそうだ。コクトー・ツインズを思い出したが、ちょっと違うな。バックの映像も手伝ってなんとも心地良い酩酊感で全身を包み込んでくれた。

 

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 そしてAPTBSが登場する22時。実はそれと同じ時間に、もう一つのVenue「Red 7」のアウトサイド・ステージでは、The Black AngelsのChristian BlandとNight BeatsのLee Blackwellによる知る人ぞ知るスピリチュア~ルなバンド「The UFO Club」がプレイしているのだ。見るのを諦めていたが、気分的に途中で移動する方がいいのでは?と感じ始めた僕は、後ろの方で2曲聴いた後、南へ歩いて五分くらいのレッド7へ。その名の通り、Red River St.と7th St.が交わるあたりに建っている。

 

 この辺りはクラブやバーが多いらしく、暗くなっても若者たちがわいわいバカ騒ぎをしている。オースティンは治安がいいと聴いたが、実際、先日昼間に見た何となくヤバそうなブロックを除いては安心して夜中歩けそうな感じだ。木曜日の夜なのに元気がいいねえ。

 

 しかしRed 7には長蛇の列。前の方に言ってヒゲモジャのごっついおっさんに「何これ、インサイド・ステージ?」と聴くと、「両方だよ~ん。」と言うので、あ、これは判断を間違ったなと思って再びストリートを北上。

 

 Mohawkに戻って来ると、会場はAPTBSの激しい轟音の嵐に包まれ盛り上がりつつ合った。ちょっとすいませんと少しずつ前の方に移動。

 

 フィードバック・ノイズの中でグチャグチャになりながら、暴れるベーシストの姿を眺める。やはりたまらないものがあった。実を言うと、僕はあまり普段は彼らの音源を聴かない。例えば家で寝転んでいて、The Black AngelsやGoatを聴きたいなと思うことはよくあっても、APTBSを大音量で聴きたいなんて思うことは稀有である。よっぽど変な精神状態である。勿論俺の趣味もあるが、それぐらいに独自の轟音道から決して脱線しそうにないようなストイックな連中なのだ。

 

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 ずっと生で聴きたいと思っていたのは、『Exploding Head』というアルバムのラストを飾る「I Lived My Life To Stand In The Shadow Of Your Heart」という曲。ジザメリでもテレスコープスでも味わえない、脳と心臓の中心部に隕石を叩きこんでくるようなタイプのノイズノイズノイズな傑作ナンバー。やはり来た。一番最後で。曲の終わりが近づくにつれギタリストが照明の機械を操作して暴れだすと、人々は高速でOn/Offの切り替わる照明に包まれ、それを目にした自分はまるで時間の流れ方が変わったかのように錯覚するのだった。この曲にピッタリの視覚演出。見事であった。

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 そのあとすぐ僕はバスに乗った。実は、マザーファッキンなエコバッグの中で無くなっているものはないかと探してみたところ、何となく嫌な予感がしていたのだが、やはりメガネがなくなっていたのだ。新品なのに。割りと似合っていたのに。クソ。

 

 完全に気分が鬱状態になって、ナイト・オウル(深夜バス)を待つのもだるくなってしまったため普通のメトロでホステルに戻った。コンタクトレズを外して、スーツケースから予備のボロメガネを取り出した。畜生。